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会津士魂(全13巻)続会津士魂(全8巻)
集英社文庫

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 会津若松は最も好きな街の一つ。初めて訪れたのは3年前の11月。会津のお寺巡りをしたくて急に思い立って出かけた。新幹線で郡山まで、その後磐越西線で会津若松まで行き、バスに乗ろうと思ったが2時間先まで来ないとのこと。仕方ないのでタクシーで勝常寺まで出かけたが、何と冬季休館中。あきらめきれないで立木観音へ行って拝観しやっと溜飲を下げた思いがある。その後飯森山に上り白虎隊のことを思い胸を痛めたもの。その後「籠太」で食事をして出会った人々の思いに満たされながら駅まで歩いていると雪が降り始めたのを覚えている。
 「会津士魂」と「続会津士魂」を読み始めたのは以上のような会津との出会いがきっかけ。
 「会津士魂」は松平容保候が京都守護職になる時から朝敵の汚名をきせられ戊辰戦争で鶴カ城開城まで。「続会津士魂」はその後明治を迎え、会津の地を追われた人々の生活をとらえながら西南戦争を描いて終わる。何とこの間30年間を費やすという大労作。
 祖父が会津の武士だったという早乙女貢氏であるから、当然ながら徹底的に会津養護の姿勢が貫かれており、それはそれで立場を変えた幕末史である。また主人公である鮎川兵馬一家とその敵の三田村新蔵くらいが架空の人物で物語に彩りをそえるが、あとは史実に基づいて描かれておりドキュメント的に語られる。
 当然ながら読むのもかなり時間はかかるが、読了後、幕末の見方が多少変わるのも面白い。やはり会津はいいなあ。(2002.2.2)